緑化センターのきのこ達(3+1種)

皆様

 

昨日は、久しぶりに緑化センターへ行ってきました。

梅雨入りが遅れていて気温も低めのためきのこの発生はあまり芳しくありませんでしたが、4種紹介いたします。

(1)ツエタケの仲間? アラカシ?の朽ちた切り株から発生していました。傘径約3cmで灰色がかった表面は粘性あり。

(2)クリゲノチャヒラタケ

(3)ヒナベニタケの仲間? 傘径約5mmと小さいながらも傘に放射状の粒状線が見られる。腐生菌のように松の朽ちた切り株から発生。

(4)ヒカゲシビレタケ (緑化センター主催の入門観察会で来園されていた川上先生に発生場所を教えていただき撮影)

 

以上、宜しくお願いします。(Y.H)

コメント: 4 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    T (日曜日, 30 6月 2019 10:58)

    Hさん、ツエタケの仲間ですが傘に強い粘性がありツバがなく色形がヌメリツバタケに似ています。ネッタイヌメリタケの可能性があります。以前同じ緑化センターで見かけました

  • #2

    Y.K (日曜日, 30 6月 2019 11:00)

    H様
    T様
    ネッタイヌメリタケ、日本菌類誌で記載を調べました。傘の中心部に網状のしわがあるという記載がありませんでした。私も実際このきのこを見せてもらいましたのでしわを確認しています。つばがないという性質は一致しているのですがその点がきがかりなので私の中では Mucidula sp. (ヌメリツバタケ属)です。世界きのこ大図鑑にもネッタイヌメリタケの記載が少しだけありますが、傘はピンクがかったオレンジ色を帯びる、とあります。こうなるとまったく別種のようです。

  • #3

    Y.H (日曜日, 30 6月 2019 11:01)

    T,K様

    お世話になります。
    ツエタケの仲間についてコメントいただきありがとうございます。
    ネッタリヌメリタケあるいはまったく別種の可能性があるということですね。

  • #4

    Y.K (日曜日, 30 6月 2019 11:03)

    広島きのこ同好会員の皆様

    以前長谷川さんが採取されネッタイヌメリタケではないかと言われていた種類ですが、Uさんから気になる種類だとメールがあり、Hさんが標本をUさんに送ったところツバキキノボリツエタケであることがわかりましたのでお知らせします。以下はUさんのメールです。

    観察をいたしました。
    切り株から発生(常緑、シラカシでしょうか?)し、傘は灰褐色、傘に被膜の名残(イボ点)を欠く、柄にツバが無い、その他下記の顕微鏡的な特徴からツバキキノボリツエタケ(仮称、申請中)で間違いないと思います。
    学名はPonticulomyces orientalis (Z.L.Yang) R.H.Petersenになります。

    傘は粘性がありますが、乾くとビロード質になります。
    これは傘の表皮が2種類の細胞からなり、頭部が丸い棍棒形の細胞と細長い先端が尖る毛状の細胞から成っていることによります。傘中央にはシワが頻繁に観察されます。
    白色の胞子は広楕円形で13.5~17x11~13μmです。
    ツバキキノボリツエタケは最初中国から報告された種ですが、その文献には広葉樹とあり具体的な樹種は不明です。
    日本では本州と九州(屋久島)で確認していまして、通常ツバキの枯れた部分から6月ころに発生します。屋久島の個体は広葉樹としかわかっていません。
    最近になって、韓国からも報告されました。東アジア温帯に分布しているようです。
    ネッタイヌメリタケというのは傘にイボ点があり、亜球形の胞子です。これは亜熱帯から熱帯の種類です。

    参考までに論文を添付しています。弊所の菌蕈誌にも少し書いています。
    https://www.kinokonet.com/result/book/2017/05/29463-5-739.shtml
    https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1340354012700232

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