I様、皆様
先日のI様から展開されたヒメホタルタケの写真を見たとき、以前から気になっていたアミヒダタケに似た白いキノコを思い出しました。
昨日、早速棲真寺公園に出かけてみると、沢沿いの枯れ枝にそれが発生していたので採取し夜に発光を確認してみました。
ツキヨタケよりも弱いですが、目が慣れてくるとぼんやり光っているの見ることができました。
ホタルが発生する時期に、同じような環境に光るキノコが発生するというのも種を越えた不思議を感じます。
その生態写真と発光写真を添付します。
この他、テングタケ属などもちらほら発生していましたが、その中に一見ウラベニタケに似た地上生の不明種がありましたので添付します。つばはありませんが、ヒダ側には内被膜のようなものが残っていてアリが群がっていましたが、コテングタケモドキにも似ているようです。根元の確認を怠ってしまったので確認できていませんが、参考まで。
以上、よろしくお願いします。(Y.H)
T.I (日曜日, 17 6月 2018 14:24)
実は私も7日(木)に棲真寺公園に行きました。
おそらくHさんと全く同じ個体だと思いますが撮影してます(添付:生態)。
流域に何箇所か発生が見られましたので安定して発生していると思われます。
現在、精査中ですが棲真寺公園のものはヒメホタルタケMarasmiellus lucidus ではなく、ヒメヒカリタケM. venosus のようです。
ヒダの縁を検鏡すると不規則に分岐した縁シスチジアが見られ(添付:棲真寺公園)、落下胞子のサイズも 6.8-9.7x4.2-5.5µm(n=50)でヒメヒカリタケ原記載に一致しました。添付画像の安佐南は、先日採集したヒメホタルタケのヒダ縁です(縁シスチジア無し)。
ヒメヒカリタケはヒダに側脈(連絡脈)があるのが肉眼的な特徴なのですが、原記載の共著者によると側脈を欠く変異もあるとのこと。
ヒメホタルタケの退化型ヒダに比べると、棲真寺のきのこはヒダが発達しています(添付:形態)
他の特徴について、今回の標本は原記載と一致しない部分も見られますので、現在のところ安佐南はヒメホタルタケ?Marasmiellus cf. lucidus、、棲真寺はヒメヒカリタケ?M. cf. venosus としておきます。
いずれにしろ、光るきのこが身近にいるって、ワクワクしますね(夜、現地に行く勇気はありませんが・・・)
Y.H (日曜日, 17 6月 2018 14:25)
ご連絡ありがとうございます。
すでに棲真寺公園に行かれていたんですね。
確かに同じ場所の個体と思います。現場の苔むした川岸の石が一部ひっくり反っていたので気配を感じました(笑)。
棲真寺公園のものはヒメヒカリタケの可能性が高いということですね。
これと似たようなキノコは、中央森林公園の女王の滝の滝つぼ近くでも2014年の同時期に撮影しましたので、中央森林公園にも発生していると思われます。
参考までに写真を添付します。
T.I (日曜日, 17 6月 2018 14:26)
発光菌はその発光を確認することが必要で、形態的にそっくりでも発光しなければ別種と考えます。
そして、顕微鏡観察・・・どちらも標本が必要です。
今回も、棲真寺のきのこを見つけたとき、肉眼的特徴(ヒダに側脈が無く、偽柄の基部の毛状菌糸が欠如など)から、安佐南のヒメホタルタケと同じと判断しました(家で発光を確認)。
しかし、検鏡すると胞子のサイズやヒダのシスチジアの特徴など、ヒメホタルタケではありえなという結果で、ほぼヒメヒカリタケの特徴に一致しました。
ヒメヒカリタケの名付け親(著者)によると、原著で類似種との重要な区別点として書かれている「ヒダの側脈」や「偽柄の毛状菌糸」は欠落する個体(系統)も存在するそうです。
こうなると肉眼的に2種を区別することは大変困難です。
子実体の発光確認は、高感度(ISO1600-3200)長時間露出で撮影されるのが一番かと思います。
しかし、それだけでは発光菌であることの確認しかできませんので、顕微鏡観察されることをお勧めします。
Y.H (日曜日, 17 6月 2018 14:27)
I様 アドバイスありがとうございます。
本日、中央森林公園に行ってみましたが、残念ながら発生は認められませんでした。
4年前は発光キノコがツキヨタケ以外に身近にあるとは夢にも思いませんでしたので撮影のみでした。
いつも同じ時期に発生するとは限らないのが神出鬼没のキノコですので、採集して顕微鏡観察結果も残すことが大切であることを実感しました。